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2023年7月1日のブックマーク (3件)

  • コーマック・マッカーシー5選

    くり返し読み返す作家は少ないが、コーマック・マッカーシーの作品はその中に入っている。特に『すべての美しい馬』は今度も何度も読み返すだろう。小説でしか伝えられない美と残虐を、確かに受け取ったと信じさせてくれるからだ。 アメリカ文学を代表する作家の訃報に接し、わりと衝撃を受けている。あたりまえなのだが、人生は期限つきであり、生きて、読んでいられる時間は思ったより短いことを、あらためて思い知らされたから。 ここでは、お薦めの作品を5つ、紹介する。世界には美と残虐が仲良く同居しており、剥き出しになった暴力と向き合うときにこそ、人間とは何かが見えてくる作品だ。 ザ・ロード 氏の作品を知らない人向けの入口となる一冊。他と比べると短めで、作風と世界観を味わうのにうってつけだ。 カタストロフ後の世界を旅する、父と子の物語。 ゾンビのいない終末世界だとこんな風になるのだろう。劫掠と喰人が日常化した生き残りを

    コーマック・マッカーシー5選
  • 佐藤究のマッカーシーの作品の解説にいいねを百連打したい&「ブラッド・メリディアン」の感想続き。 - うさるの厨二病な読書日記

    www.hayakawabooks.com 「それな!」という感想しかなく(失礼)いいねを百個くらい押したい。 特に文章に言及した箇所には共感しかない。 どのページを開いてもおわかりのように、コーマック・マッカーシーは会話にカギ括弧を使わず、地の文に読点をほとんど打たない。 だからといって、書き手の感情にまかせた饒舌に陥ることはなく、行為と事物が淡々と描かれる。 神なき時代の叙事詩的文体とも呼べる。 言うまでもないが、たんに文章からカギ括弧や読点を排除するだけでは、マッカーシーのような文体にはならない。 それは事実への冷徹な観察眼から生まれたもの(後略) (引用元「コーマック・マッカーシーが教えてくれた『書くことの質』」 佐藤究/太字は引用者) 専門家ではない自分の適当な印象を話すと、アメリカの現代文学はハードボイルドの影響が強いのか「叙情を徹底的に排除する」文体の人(特に男の作家)が多

  • 【全文掲載】コーマック・マッカーシーが教えてくれた「書くことの本質」──直木賞作家・佐藤究さん解説『ノー・カントリー・フォー・オールド・メン』|Hayakawa Books & Magazines(β)

    【全文掲載】コーマック・マッカーシーが教えてくれた「書くことの質」──直木賞作家・佐藤究さん解説『ノー・カントリー・フォー・オールド・メン』 米文学界の巨匠コーマック・マッカーシーの傑作犯罪小説が待望の復刊です。『血と暴力の国』(扶桑社ミステリー)から改題、改訂した上での再文庫化で、訳者の黒原敏行さんが今回の文庫用に書き下ろしたあとがきと、直木賞作家・佐藤究さんによる解説が収録されています。映画「ノーカントリー」は観たことがあるけれど、原作はまだ……という方にもぜひともお薦めしたい一冊です。 この記事では、文庫巻末に収録されている佐藤究さんの解説を全文公開いたします。佐藤さんがいかにして映画「ノーカントリー」と出会い、その後マッカーシー作品の虜となったのか。必読の解説文です。 ※一部、作品の結末に触れている箇所がありますので未読の方はご注意ください。 解説 佐藤究 すばらしいかぎりだ。

    【全文掲載】コーマック・マッカーシーが教えてくれた「書くことの本質」──直木賞作家・佐藤究さん解説『ノー・カントリー・フォー・オールド・メン』|Hayakawa Books & Magazines(β)