大学の設置認可をめぐって、田中文部科学大臣は、一たん不認可とした3つの大学の来年春の新設を一転して認めました。不認可の決定から認可へと目まぐるしく変化しました。いったいこの間の騒動はなんだったのか。今夜は、この問題について考えます。 外務大臣時代に「誰かがスカートのすそを踏んづけていて前に進めなかった」と述べた田中大臣。今度は、自らスカートのすそを踏み、つまずきそうになったところを周りに支えてもらった格好です。一方で、提起した課題は、今後議論すべき価値はある。このように総括できそうです。 田中大臣が3大学の不認可を言い出したのは、今月2日のことでした。前日に大学設置・学校法人審議会からの答申を受けて、設置を認めるとした大学の新増設のうち大学の学部の増設は認めたものの、新しく大学をつくる3大学の設置は認めないとしました。 理由は、要約すると3点です。一つは、大学が多過ぎて質の低下を招いて