かつて全国最多だった待機児童数をゼロにした横浜市の取り組みが注目を集めている。株式会社参入を積極的に促して受け入れ枠を増やし、働く保護者らの相談にのる「保育コンシェルジュ」を創設。安倍晋三首相は成長戦略で「横浜方式を全国展開したい」と平成29年度までの待機児ゼロを目指す方針を打ち出す一方、保育現場からは質を懸念する声もあがる。横浜市の林文子市長と、保育の現場を知る東京都八王子市の共励(きょうれい)保育園理事長、長田安司氏に聞いた。(清水麻子) ◇ ≪林文子氏≫ ■民間活用でスピード感 --待機児童ゼロを達成した感想は 「約3年半で144カ所、1万人以上の定員を拡大し、多くの方から認可保育所に入りやすくなったと喜びの声をいただいた。印象深かったのは、認可保育所の不承諾通知が届き途方にくれていた保護者の方から届いた声。『保育コンシェルジュから一緒に探しましょ
自民党教育再生実行本部の「教科書検定の在り方特別部会」(主査・萩生田光一総裁特別補佐)は12日、一部の歴史教科書に見られる偏向的な記述を是正するため、教科書の記述や検定制度の在り方を包括的に示す「教科書法」(仮称)の制定を検討していくことを決めた。同部会は月内に、これまでの議論で決定した内容を「中間とりまとめ案」として安倍晋三首相に提出する。 中間とりまとめ案は「自虐史観に立つなど、多くの教科書に問題となる記述がある」と指摘。さらに、定説がない歴史上の出来事を確定的に記述しないことや、諸説ある事項は多数説と少数説をバランスよく扱うことなどを求めており、同日の部会で了承された。 萩生田氏は、「何を教えてほしいかを明確に教科書会社に伝達し、それにのっとった教科書を作ってもらうようにしたい」と記者団に説明した。 同部会が教科書法の制定を検討する背景には、現行の教科書検定制度では、出所や出典を示せ
日本の国際競争力は、1990年の世界1位から、今や24位となった。わが国の潜在力発揮のためにも、大学院・大学などの高等教育の再生は急務である。現在、日本には大学が783校ある。語呂合わせでは、ナ・ヤ・ミとなるが、各大学が課題を直視し、国際競争力や地域貢献力を高めるなど特色に応じた教育が進むよう後押しが必要である。 政府の教育再生実行会議は、5月28日に「これからの大学教育等の在り方について」と題する報告書をまとめ、グローバル化への対応、教養教育の充実、地域活性化の取り組みなどを示した。 政府のこうした動きと並行し、自民党の教育再生実行本部も提言をまとめた。私は「大学・入試の抜本改革」部会の主査として、5月23日、総理に提言内容の説明を行った。日本の私学の半数は定員割れで、基礎学力をはかる入試が行われていない状況にある。また、入試があっても2、3科目のみという私立大学が7割超という中で、36
下村博文文部科学相が産経新聞のインタビューに応じ、尖閣諸島(沖縄県石垣市)について「子供たちが中国や台湾の領有権主張に対し議論や反論もできないのは問題」と述べ、小中高校すべての社会科教科書に尖閣諸島を詳しく記述して領土教育を充実させる必要があるとの認識を示した。 ロシアと韓国にそれぞれ不法占拠されている北方領土と竹島(島根県隠岐の島町)と異なり、日本が実効支配している尖閣諸島は、政府が「中国や台湾の間で領有権の問題は存在しない」との立場を取っており、教科書編集の基準となる学習指導要領解説書にも明記されていない。ここ数年の領土に対する関心の高まりを受け、中学、高校教科書では記述が増えたが、小学教科書では5社中1社だけだ。 下村文科相は昨年の国有化以降、尖閣諸島周辺で中国公船による領海侵犯が相次ぐ中、「そもそも(尖閣諸島の)記述がない教科書が存在している」と問題視。記述がある教科書についても「
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は6日、大学入試改革に向けた議論を始めた。高校在学中に複数回受けられる「到達度テスト」の導入を視野に、1回の共通テストで合否が左右されるとして批判のある大学入試センター試験の廃止を含めた見直しなどを検討する。今秋にも結論を取りまとめ、安倍晋三首相に提言する。 会議では、「高校の教育内容を反映させ、大学教育に必要な能力を測るためには一発勝負の選抜ではなく、複数回受験できる仕組みが望ましい」という意見が多数を占めた。 到達度テストは、大学側には年1回のセンター試験に比べ、受験生の学力を正確に把握できるメリットがある。一方、年に複数回実施することで、問題作成にかかる時間やコストが増大するとの懸念や、長期間テスト対策に拘束され、逆に高校生の大学受験に対する負担感が増すのではないかとの指摘もある。現行の高校卒業程度認定試験(旧大検)の位置付けなど検討
教育再生実行会議が6日、高校在学中に複数回受けられる「到達度テスト」導入の検討を始めた。その背景には、入試形態が多様化する中、1点刻みで得点を競う一発勝負の大学入試センター試験では、大学志願者の学力を測るという本来の目的の達成が困難との懸念があるほか、複数回の実施で高校教育の質保証につながるとの期待もある。 昭和54年に始まった共通1次試験は原則、受験生に5教科を課す方式で「大学の序列化を招いた」との批判が噴出。平成2年開始のセンター試験は各大学が受験科目を自由に選べるようにしたが、年1回の共通テストで受験生がふるい落とされる構図は残った。体調不良などで本来の実力を発揮できなかった受験生への救済はなく、「知識偏重」とも長年批判されてきた。 近年は、少子化の影響で、AO(アドミッション・オフィス)入試や推薦入試など、学力試験を課さない大学入試が増えたことなどから、教育関係者から「高校での学習
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は6日、大学入試改革に向けた議論を始めた。高校在学中に複数回挑戦できる「到達度テスト」の導入を視野に、1回の共通テストで合否が左右されるとして批判のある大学入試センター試験の廃止を含めた見直しなどを検討する。今秋にも結論を取りまとめ、安倍晋三首相に提言する。 安倍首相は会議の冒頭、「大学入試に過度にエネルギーを集中せざるを得ないことが、わが国の教育の問題。幅広い観点から議論してほしい」と語った。 到達度テストは、自民党の教育再生実行本部が先月、安倍首相に提出した教育改革案に盛り込まれた。文部科学相の諮問機関、中央教育審議会でも具体的な制度設計を検討している。 到達度テストは年2~3回の実施を想定して議論される見通し。大学側には年1回のセンター試験に比べ、受験生の学力を正確に把握できるメリットがある。一方、高校側には大学に進学せずに就職する高
自由民主党の教育再生実行本部は4月8日、「成長戦略に資するグローバル人材育成部会提言」を取りまとめ公表した。提言のうち「英語教育の抜本的改革」についての疑問点を指摘したい。 提言内容の概要は次の3つである。(1)大学については、TOEFL(トーフル)等の検定で一定の成績をとることを入試や卒業の要件にする(2)高校では、120点満点のトーフルで45点、あるいは英検2級を卒業までに全員が達成する(3)国家公務員の受験資格にトーフル等を導入する。英語教育の抜本的改革は次の通り。1.大学において、従来の入試を見直し、実用的な英語力を測るTOEFL等の一定以上の成績を受験資格および卒業要件とする。世界レベルの教育・研究を担う大学を30程度指定し、その学生の卒業要件をTOEFLiBT90点相当とするとともに、集中的な支援によりグローバルに活躍する人材を年10万人養成2.高等学校段階において、TOEFL
政府の教育再生実行会議が、小学校低学年からの英語の教科化など英語教育の抜本的な変革を求めた第3次提言を、安倍晋三首相に提出した。 諸外国に比べ立ち遅れが目立つ日本の英語教育の現状に危機感を示し、グローバル化時代に伍(ご)していける人材を育成しようとの意気込みが感じ取れる点は評価したい。 ただ、提言の具体化には、指導法の確立や教員の指導技術向上が不可欠である。そうした教育体制の整備を急がなければならない。児童・生徒の国語力を今以上に強化する工夫も必要だろう。 大学教育のあり方を中心にまとめた今回の提言は、世界と競える大学づくりを目指し、英語による専門授業を増やすとした。 そのため、英語力を裾野から構築するとの観点に立ち、現在、小学校高学年に導入されている「英語活動」を低学年から教科に取り入れ、「オール英語」の授業も中学校から導入するよう求めた。 言語習得に敏感な低年齢期から英語学習を始めれば
「教育再生をすすめる全国連絡協議会」発足記念行事で教育再生民間タウンミーティングin東京が行われた =25日午後、東京都港区(矢島康弘撮影) 安倍晋三内閣が進める教育改革を民間の立場からサポートし、国民の声を集めて首相直属の教育再生実行会議に提言を行う「教育再生をすすめる全国連絡協議会」の発足式が25日、東京・六本木のハリウッドホールで開かれ、約650人が参加した。 冒頭、代表世話人の須田寛JR東海相談役があいさつし「教育は国民のすべてが考えること。公共的な教育の考え方、企業による考え方を含め、国民全体のコンセンサスの中に新しい教育の波が起こるように努力したい」と語った。 続いて1回目のタウンミーティングが開かれ、日本維新の会の中山恭子元拉致問題担当相や教育評論家の石井昌浩氏ら5人がパネリストとして登壇。道徳の教科化や伝統文化の継承、いじめを解決できた教員らが評価される仕組み作りなどが提言
教育再生実行会議の第一次提言を受けて「道徳教育の充実に関する懇談会」が設置された。私も委員として参加し、過去2回の会議で、道徳の教材の一つ「心のノート」を来年度に全面改訂できるよう、急ピッチで検討作業を行った。 次回から「道徳教育を充実するためにどうするか」という本題に入っていくことになる。 教員の指導力向上や道徳の教科化に向けての課題の整理などが検討テーマとして挙げられてはいるが、それよりもまず「道徳教育の目的は何か」ということから決めていく必要がある、と私自身は考えている。 それは、今の道徳教育は、その目指すものが一体何なのかが非常にあいまいであるからだ。 小学校学習指導要領には「(略)豊かな心をもち、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛し、(中略)公共の精神を尊び、民主的な社会及び国家の発展に努め、他国を尊重し、国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓く
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は22日、国際化社会における人材育成と大学改革について議論し、小学校で英語を正式教科とすることを柱とした提言案を大筋で了承した。来週にも安倍晋三首相に報告する。 提言の素案は、小学校英語の拡充を掲げ、現在は小学5、6年で週1回の「外国語活動」として実施している授業を、正式な教科に格上げすることを提唱。授業時間の増加、英語専門教員の配置や、4年生以下に英語を教えることも求めた。 下村博文文部科学相は会議後の記者会見で「(教科化は)目安として4年生からと思うが、専門家が議論する必要がある」と発言。今後、中教審で英語教育を始める学年や学習指導要領改定の前倒しを検討する。 鎌田座長は「日本語を体系的に学んでから英語を習った方がいいという考え方もあるだろうが、会議で反対はなかった」と述べた。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く