脱原発にいくらかかるのか 経済、経営関係では、性急な脱原発はただでさえ不調な日本経済をさらに停滞させると論じる識者が多い。しかし、そもそも脱原発のコストはいくらなのだろうか。 2011年3.11以前、2010年までの東京電力の売り上げは5兆円、エネルギー価格の変動と原発の稼働率変化を反映して燃料購入費は大きく変動しているがほぼ2兆円であるとみなせる(東京電力企業情報ヒストリカルデータ)。 火力の比率が6割、原子力の比率が3割と見なせるから、原子力を火力に置き換えると火力の比率を9割にしなければならない。そのために必要な燃料費は1兆円である。すなわち、原子力を止めて火力にするコストは1兆円である。 東京電力は、日本全体の3分の1の電力をまかなっているので、日本全体の原子力を止めて火力にすることのコストは1兆の3倍の3兆円である。もちろん、新たな火力発電所も作らなければならないが、すでにかなり