第2次世界大戦中の1944年に英当局が東京への大規模な毒ガス攻撃を検討していたことを示す文書が英国で公開された。英紙タイムズ(電子版)が26日に報じた。 タイムズによると、英政府の研究者は1944年5月の「ガス爆弾による東京攻撃」と題された文書で、英軍から提供を受けた東京の写真や情報に基づき、ホスゲンとマスタードガスの2種類の毒ガスを使った効果的な攻撃を分析した。 毒ガスの使用時期については、夏の大雨の合間を縫って攻撃できるのであれば「(冬より)夏の方が良い」と指摘。 また東京の住宅密集地域の道路は狭く、ガスの流れが阻害されるため「極めて多くの小型(毒ガス)爆弾」の使用を提言した。 東京への攻撃は、まず最初に焼夷(しょうい)弾を使って木造住宅が密集する地域で火災を起こした後で、近代的な建物が多い地域で、毒ガス攻撃を行うのが最も良い方法だとした。(共同)