中国の出国禁止措置により、中国から帰国できない外国人が急増している。2014年に「反スパイ法」が施行され、23年7月には改正「反スパイ法」が制定されたことで、スパイの定義が拡大され、それに伴う罰則規定も多様化したためだ。特に「出国禁止措置」に関する法律は18年以降、「国家監察法」など少なくとも5本が成立し、関連法規も15項目に上っている。 始まりは外国メディアへのどう喝 最初は外国メディアに対するどう喝の一環だった。18年、北京駐在のオーストラリアABCニュースのマシュー・カーニー記者は、「中国の法律に違反した」としてビザ発給を停止され、10代の娘と共に強制的にビデオ撮影で反省文を読まされた。取材対象の中国人が起訴され、彼は家族と急きょ中国を離れた。 中国で娘と写真を撮影するマシュー記者=ABCニュースのホームページより 20年に中国とオーストラリアの外交関係が緊張すると、オーストラリア国