「はい、上条ちゃんになぜかお誘いがきてるんですよー」 と言う、目の前のロリ教師の手には一枚のプリント。 進路希望と書かれたその紙には書くべき箇所は空白で、答えを出しあぐねていた結果だ。 実際、進路と言われても高校一年の冬でまだまだ考えた事もなかった。 いや、考えなければならない時期なのかもしれない。 しかしこの右手が持つ『幻想殺し』のおかげで学園都市の成績とも言える能力は発現しようがないし、そうするとここで働くともなるとどうしても範囲は狭められてしまう。 進学── あの両親に頼み込めば進学はさせてもらえるのだろう。 しかし行った所でこの学園都市では学ぶ事は主に能力開発。 この学園都市では働くにせよ、学ぶにせよまずは能力というものが先行してしまう。 ──うーん……。 つまりは能力が発現『しようにない』自分──上条当麻にとって進路を考える事はとても難しいものであった。 それに、上条にはつい最近