岡田克也外相と国連の潘基文事務総長が3月31日にニューヨークで会談した際、潘氏が「北朝鮮の食糧事情が6、7月ごろに危機的な状況になる恐れがある」と日本政府に人道支援を要請、これに対し、岡田氏が「現在の北朝鮮の政治体制では支援が必要な人に届く保証がない」として断っていたことが20日分かった。複数の国連関係筋が明らかにした。 潘氏は会談で、国連を通じた食糧などの人道支援の可能性を打診。これに対し、岡田氏は「北朝鮮とは拉致問題が解決していない。核問題も未解決だ」とした上で、核開発を続ける金正日総書記体制が「(食糧事情を)改善したいと思えば、できるはずだ」と指摘した。潘氏側はこれを「北朝鮮指導部は核やミサイル開発に使う金を食糧に回すこともできる。また、仮に食糧を支援しても、総書記周辺や軍に行く可能性が高い」との趣旨と解釈したという。(共同)