本記事では、su(1,1)代数を用いた水素様原子に対するエネルギースペクトル解法の図解を行う。 上記解法の詳細については以前の記事、 adhara.hatenadiary.jp を参照して欲しい。 本記事を書くにあたり、国場敦夫の記事やA. E. McCoy and M. A. Caprioの論文を参考にした。 su(1,1)代数は異なるエネルギーの固有状態を結びつける働きをする。 とくに同代数で出てくる昇降演算子のうちの上昇演算子はエネルギーを高い状態を次々と「生成する」働きをする。 このような点に注目してsu(1,1)代数を「スペクトル生成代数」(国場の記事より)と呼ぶこともある。 これは一次元調和振動子の問題を昇降演算子で解く方法と似ている。 一次元調和振動子の場合も基底状態に対して上昇演算子を作用させることで高いエネルギーの固有状態を得ることが出来る。 このように上昇演算子はエネル