太田 みなさん、今回の座談会では、ぜひ受賞作を出したい! なぜなら、今回の受賞作品がゼロだと、累積した賞金がすべて先日刊行された新人賞作品、『ノーウェアマン』の著者である朝倉(あさくら)ユキトさん一人だけのものになるからです。 石川 それはそれでいいんじゃないですかね? 岡村 今回受賞作が出なかったら、彼一人が総取り? 太田 そうなんですよ。その額、なんと300万円以上! 星海社FICTIONS新人賞の賞金は、読者の皆さんの応援があってのものなんだから、より多くの才能ある新人さんに持っていってもらいたいと思います。たとえば100万円あれば、若くて独身の小説家さんならば、数ヶ月は創作に集中できますからね。 林 大丈夫ですよ。今回はすばらしい作品が集まっていますから! 平林 もちろん、仮に朝倉さんが賞金をすべて手にすることになったとしても、なにも問題はありません。『ノーウェアマン』は、それに値