一般にオフショア開発は、コスト削減、人材不足の解消を目的に実施されることが多いのですが、一方で、文化・言語の違いによるコミュニケーション不足、発注仕様の理解不足、品質に対する認識不足等が原因で、当初の目的を達成できないことがあります[1]。弊社でも、約10年前からオフショア開発に取り組んでおり、同じような問題に直面しました。本稿では、そのようなオフショア開発の問題点をアジャイル開発で効果的に解決できた事例(プロジェクト)を紹介します。 1.プロジェクト概要 今回紹介するプロジェクトの概要を表1に示します。開発当初は、基本設計以降をオフショア側に委託し、弊社は要求の説明と受入検査のみを実施しました。なお、委託する際は、国内で委託する場合と同様の開発手順書、要求仕様書を作成して委託しました。 2.顕在化した問題点 当初、「1.プロジェクト概要」で紹介した方法で開発を進めたのですが、品質が悪く、