味よし、香りよし、姿よしの三拍子そろった贈り物が「林屋」の「焼あゆ」だ。「西の四万十、東の那珂川」という言葉があるように、那珂川は日本屈指の清流として知られる川魚の宝庫。その川で漁を営む川漁師から鮎を仕入れ、それを市場に卸す商いが、「林屋」の始まりだ。創業は1964年。今は2代目小林 博さんが家業を守っている。 天然遡上の鮎で知られる那珂川だが、漁から養殖へと主流が移り変わるなかで、「林屋」も鮎の養殖を手掛けるようになる。ただ、天然の上物だけを扱ってきた林屋のこだわりは並々ならない。清らかな水があってこそおいしい鮎は育つという考えから、那珂川の恵みを最大限に生かしながら、例えば養殖場に出入りする者を制限するなど、病気を防ぐために衛生面も徹底。欲張らない収穫量を心掛け、鮎にとって快適な環境を保ち、ストレスフリーで元気な鮎を育てるようにしているという。 夏の魚というイメージの強い鮎だが、養殖を