「子どもは静かに溺れます!」――。長野県佐久市の医師会がスマートフォンのアプリなどで呼びかけた注意が反響を呼んでいる。子どもは溺れたら騒ぐと考えがちだが、実際は声も出さずに沈むことが多い。国も周知を始めた。 この注意喚起は、佐久総合病院佐久医療センター(長野県佐久市)の坂本昌彦小児科医長(41)が発案。昨夏、当時1歳だった長男が、10秒ほど目を離した隙に「音も立てず浴槽に沈んで溺れそうになった」ことがきっかけだ。 坂本医師が調べると、特に子どもはこうした溺れ方が一般的だとする米国の研究を見つけた。子どもは何が起きたのか分からず、呼吸しようと精いっぱいで声を出す余裕もないという。 佐久医師会は昨年9月、「静かに溺れる」ことを啓発するポスターを作製。同医師会のスマホ向け無料アプリ「教えて!ドクター」で紹介すると、全国から反響が相次いだ。