東日本大震災の甚大な被害を被った沿岸地域では、津波によって拠点病院すら被災し地域医療が根底から崩れさった。直後に数十万人の避難者が発生し2000カ所もの避難所では着の身着のままで避難した方々が適切な医療を受けられずにいた。そのためせっかく津波から逃れても避難所で命を落とすケースが多発した。そこで今回は、広域災害に対処できる医療に関してICTの観点から提言したい。 避難所に逃れても亡くなられる方々の多発 今回の災害では医療の面でも様々な課題が明らかになった。せっかく津波から逃れて避難所に落ち着いても、避難所や搬送先で亡くなる二次災害の方々が多い。このようなことが起こる経緯を追って見ていくと次のようになる。 災害現場で大量の怪我人が発生する地震と津波で多くの病院が甚大な被害を受ける地域の拠点病院でさえも被災する被災地で生き残った病院は患者であふれる被災地では医師、看護士などが圧倒的に不足する多