どぎつい子どもの性描写がある漫画などの販売を規制する東京都青少年健全育成条例改正案をめぐり、都議会での賛否が割れている。「表現の自由」を守りつつ規制できるよう知恵を絞り直せ。 子ども相手の強姦(ごうかん)や近親相姦といった性的な暴力や虐待が、社会的に許されるかのように描いた漫画やアニメ、ゲームソフトは子どもの目に触れないよう遠ざけておきたい。そんな親心をくんだのが都側の改正案だ。 過激な性描写の悪影響から子どもを守りたいのは市民共通の思いだが、最大限尊重されるべき表現の自由が侵されかねない方法では理解は得られまい。「創作活動を萎縮(いしゅく)させる」と漫画家や出版業界が反発するのもうなずける。