メキシコのバハカリフォルニア州沖で、漁網の準備をする漁師たち。メキシコでは、合法的な漁業が水産物の違法取引に利用されるケースが増えている。また、脅されて犯罪組織の片棒を担がされる漁師もいる。(PHOTOGRAPH BY GUILLERMO ARIAS/AFP VIA GETTY IMAGES) メキシコの麻薬カルテルが、野生生物犯罪にまで手を広げつつある。米国ワシントンDCのシンクタンク、ブルッキングス研究所が公表する予定の報告書によると、麻薬カルテルがメキシコの合法的な漁業を牛耳ることで、違法に水揚げした海洋生物の「ロンダリング」を行っているという。(参考記事:「自警団を隠れ蓑にする麻薬カルテル」) これまでも、カルテルは中国の伝統薬に使われるトトアバという魚の浮袋(浮力を調整する器官)や、高級家具などに使われる植物のシタンの密売に関わってきたが、最近は、こうした野生生物の中国などへの密