5月10日、財務省(写真)は、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、高等教育の無償化案に関する論点を示した。2011年8月撮影(2017年 ロイター/Yuriko Nakao) 財務省は10日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、高等教育の無償化案に関する論点を示した。高等教育が生涯賃金の上昇という「個人の私的利益」につながることから、公費負担拡大による無償化には懐疑的だ。 分科会は今月中に意見書を取りまとめ、政府が6月に策定する経済財政運営の基本指針に反映させたい考え。 高等教育の完全無償化には約3.1兆円が必要とされる。同日の分科会では、自民党の一部で浮上した「教育国債」について否定的な意見が多く出た。若手議員らが提案する「こども保険」についての議論はなかったという。 高卒者と大学・大学院卒者では「生涯所得が6000─7000万円異なる」(独立行政法人労働政策研究