耳では聞こえていないはずの超高周波音を、我々がなんらかの形で受け取っていて、それに対して脳が応答するという「ハイパーソニック・エフェクト」も、90年代は「聞こえ方がよりよい」という主観的な尺度や、脳波を測定してアルファ波が強く出るようになる、といった水準で議論される段階だった。 それを勃興したばかりの脳のイメージングの手法で、その時、実際に何が起きているか可視化して示す。本田さんが参入した時点での「ハイパーソニック・エフェクト」研究の新たな展開は、まさにその点だ。そして、その結果、高周波音に脳がしっかりと応答していることを確認したわけだが、具体的にはどういうことだったのか。 前回紹介した大がかりな実験で明らかになったハイパーソニック・エフェクトによる脳の活動部位。視床、視床下部、中脳といった「基幹脳」が一体となって活動するとともに、報酬系回路として働く「前帯状回」「内側前頭前野」などの遠隔
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