一人、社員食堂で昼食をとる。 一人で食べるのが良い。人目につきにくい隅っこの席ならなお良し。 しかし、僕の狙っている窓側柱横の席はいつもハンカチで予約されていて、おばさん二人組(以下おば2)が後から悠然と現れ座る。僕が食堂に来る時間は11時40分頃で、おば2が来るのが12時頃。 何て卑怯なババア達だ。 僕は1年半の間憎っくきおば2に席を取られ、一つ席を空けた隣で蕎麦を啜り続けてきた。 おば2の話題と言えば、最近どのドラマが面白い。韓流の誰がカッコいい。ジャニーズの誰が可愛い。若手俳優の誰が好み。と、こんなところだ。 僕は黙って蕎麦を啜る。 おば2の片割れは外回りが多いようで、もう片割れはたまに1人で食べる。勿論だが、黙って食べる。 僕も黙って蕎麦を啜る。 たまには芸能話ではなく、身内の話もする。姪っ子がどうとか。親がどうとか。明るい話題が多い。 聞こえないふりをして蕎麦を啜る。 社員食堂に