あのちゃんの影響といえば、「あのギャル」という存在があるように、髪型やファッションセンスといった部分が思い浮かぶ人が多いと思う。実際、あのちゃんのコスプレをしてるかのような地下アイドルが大量に存在した時期もあった。しかし、あのちゃんがどんなに可愛くてセンスがよかろうと、それだけではあのような強い求心力は生まれてはこない。いつも何かに抗っているような、世の中と折り合いがわるい、あのちゃんの言葉に対する共感があってこそ、それは生まれてくる。 あのちゃんを「メンヘラ」という言葉で片付けようとする人は多い。ただ、私にとっては「思春期」そのもののような人だ。世界に対する違和感。裏表ありありで、うまいこと立ち回るような人間に対する怒り。誰も自分のことをわかってくれないという孤独感。汚れた「大人」に対する潔癖な軽蔑。自分が未だ何者でもないということに対する焦りと不安と、自分が何か特別な存在であるかのよう