先延ばし癖がある人ほど、気を楽に持つといいかもしれません。 東京大学大学院 総合文化研究科はこのほど、自分の未来に対して「今よりストレスが増えることはない」と楽観的な人は、深刻な先延ばし癖が少ない傾向にあることを発見しました。 先のことを重く考えすぎないことが、先延ばしを改善するヒントとなりそうです。 研究の詳細は2024年5月30日付で科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されています。
”沈黙の世界”に私たちは耐えられないようです。 米ミネソタ州ミネアポリスにある「オーフィールド研究所(Orfield Laboratories)」は、地球上で最も静かな場所としてギネス世界記録に認定されています。 より正確にいうと、研究所内にある「無響室」がそれにあたります。 この部屋の壁は音の99.9%を吸収するように設計されており、その静けさは人が1時間もいると発狂してしまうほどだという。 一体どのような世界なのでしょうか? Orfield Laboratories is home to the quietest room on earth — but that’s not all https://www.cbsnews.com/minnesota/news/finding-minnesota-orfield-laboratories-anechoic-chamber/ The Qui
精神病質(psychopathy)は、他者への共感や良心の著しい欠如を特徴とするパーソナリティ障害の一つです。 その特性の持ち主を指す「サイコパス」という呼び名は日本でもすっかりお馴染みとなりました。 サイコパスは人口全体の数%ほど存在するとされ、私たちの身近にも潜んでいる可能性があります。 そうした人物とはできるだけ付き合いを避けたいところですが、では、どうすればサイコパスを見分けられるのでしょうか? これまでの心理学研究がそのヒントを与えてくれています。 それによるとサイコパス特性が強い人ほど、会話中にほとんど頭を動かさないようなのです。
眠れない夜に頭の中で羊を数えたことはないでしょうか? 私たちは普通、目の前にない物でも頭の中にイメージして視覚化する能力を持っています。 ところがこの頭の中で羊を数えるという行為が理解できないという人たちがいます。人口の約2〜5%存在するとされるこの人たちは、視覚的なイメージをまったく頭に思い浮かべることができません。 これを「アファンタジア(Aphantasia)」と呼びます。 そしてさらに、世の中にはこれと正反対の性質を持つ人達もいます。人口の約3%に含まれるとされるこの人たちは、視覚的なイメージを極めて鮮明かつ緻密に思い浮かべることができ、これは「ハイパーファンタジア(Hyperphantasia)」と呼ばれています。 このハイパーファンタジアはあまりに物事が鮮明にイメージできてしまうために、現実と想像を区別するのが困難になるといいます。 今回はこのイメージの視覚化に関する両極端な能
星として晩年の状態にあるとされる、オリオン座「ベテルギウス」は、たびたび天文ニュースの話題にのぼっており、現在非常に膨張した状態になっていると予測されています。 その直径は10億キロメートル以上に達していると考えられ、その全体のサイズは太陽の約1000倍に匹敵します。 そんなベテルギウスの表面は、現在飛んでもないことになっている可能性があるようです。 その事実はベテルギウスの自転速度の調査から示されました。 最近の調査によると、ベテルギウスは秒速5キロメートルという超高速で自転しているように見えると報告されたのです。 しかし専門家いわく、ベテルギウスほどの巨大な恒星であれば、理論的にはこの秒速5kmという数値より2桁は遅いはずだといいます。 では、どうしてこんな超高速に見えたのでしょうか? 独マックス・プランク天体物理学研究所(MPI for Astrophysics)が新たに調査した結果
「時は金なり」という格言があるように、現代社会に生きる私たちは”時間”に追い立てられる日々を送っています。 今や誰もが時計に従って行動していますし、時間を気にせずに生活できる人はほとんどいません。 しかし時計を気にしすぎることが返って、「もうこんなに時間が経ってしまった」という時間の損失感や欠乏感を生んでしまいます。 多くの現代人がそうした問題を共有する中で、どうすれば”豊かな時間”を取り戻せるのか? フィンランド・トゥルク大学(University of Turku)は今回の新たな研究で、その答えを「自然」に見出しました。 研究者によると、自然の中で過ごすことで「時間の知覚」がゆっくりになることが示されたというのです。 自然が現代社会における”精神と時の部屋”として、私たちに時間を与えてくれるかもしれません。 研究の詳細は2024年3月5日付で科学雑誌『People and Nature
人類が火星への移住を目指すなら「水」は絶対に欠かせない資源です。 実は火星は30〜40億年前までは温暖で水の豊富な惑星だったことが分かっていますが、今ではすっかり乾燥した不毛な土地となっています。 この火星を満たしたかつての水がどこへ消えたのかについては、宇宙空間へ流出してしまったという説から、どこかにまだ保存されているという説まで様々です。 しかし今回、欧州宇宙機関(ESA)やスミソニアン協会(Smithsonian Institution)の研究で、火星の地下に巨大な氷の塊が眠っていることが新たに判明しました。 なんとその量は地球の紅海の水量に匹敵し、もしそれを全部溶かせば、火星表面に深さ1.5〜2.7メートルの浅い海ができるほどだという。 この氷塊を利用できれば、火星移住計画における水資源も確保できるかもしれません。 A Massive Amount of Water Ice Has
「レーザー光による急所攻撃」が害虫と人間の果てしない戦いに終止符を打つ?私たち人間は、農作物を荒らす害虫を化学薬剤で駆除してきました。 ところが近年、それら害虫が薬物抵抗性をもつようになり、同じ農薬が効かなくなってきました。 農薬や殺虫剤が効かない害虫が増える / Credit:Canva たまたま農薬が効かない遺伝子を獲得した個体が生き残り、世代交代を繰り返すことで、大半の個体が抵抗性遺伝子をもつようになったのです。 新たな農薬を開発しても同様の現象が生じるため、いたちごっこになります。 2017年には、世界の農作物生産額165兆円のうち26兆円分が害虫・害獣被害により失われました。 では、害虫と人間の「果てしない戦い」を終わらせる方法はあるのでしょうか? 今回、山本氏ら研究チームは、青色半導体レーザーのパルス光を照射することで、害虫を駆除する方法を開発しました。 青色半導体レーザーを用
多くの親は「長時間のゲーム」が子供に悪影響を与えると考えています。 このためゲームの影響に関する先行研究は、主にうつ病、攻撃性の増加、運動不足など、ゲームがもたらすマイナス面に焦点が当てられています。 しかしゲームは非常に複雑なパズルのようなものであり、ゲームプレイが特定の能力に対してプラスの影響をもたらす可能性は十分に考えられます。 そこでアメリカ・バーモント大学(University of Vermont)に所属する精神医学者バダー・チャラン氏ら研究チームは、ゲームを長時間遊ぶ子どもたちに見られるプラスの影響について調査。 結果、1日3時間以上ゲームをする子供が認知スキルテストで好成績を収めたと報告しました。 研究の詳細は、2022年10月24日付の学術誌『JAMA Network Open』に掲載されています。 Boosted Brain Activity Observed in C
世界で初めて、サルを人工的にうつ病にする研究チームは今回、ニホンザルの脳内における「内側前頭皮質(MFC:medial frontal cortex)」の腹側部を対象とした、局所的な脳機能の阻害実験を行いました。 MFCは、高度な認知や情動機能をつかさどる大脳皮質の中で、前方部の内側面に位置します。 情動や社会性、意欲の制御に深くかかわっており、とくにMFCの腹側部は、うつ病患者において機能異常が生じる場所として指摘される部分です。 この領域の機能を阻害する方法として、チームは、非侵襲的な脳活動の操作法である「経頭蓋磁気刺激(TMS:transcranial magnetic stimulation)」を用いました。 TMSは、頭皮に配置したコイルに電流を流して、急速な磁場の変化を起こすことで、頭蓋の外側から脳内に微弱な電流を与える脳刺激法です。 本研究では、ニホンザルのMFC腹側部を標的
私たちが暮らす天の川銀河の中心部には、「いて座A*(エースター)」と呼ばれる超大質量ブラックホールが存在します。 このほど、独・ケルン大学(University of Cologne)、チェコ・マサリク大学(Masaryk University)の研究により、このいて座A*をわずか4年で周回する恒星が新たに発見されました。 この星は実に秒速8000kmの速度で宇宙を移動しており、まさしく、”スピードスター”と呼ぶにふさわしい星です。 研究の詳細は、2022年7月5日付で科学雑誌『The Astrophysical Journal』に掲載されています。 8,000 kilometers per second: Star with the shortest orbital period around black hole discovered https://phys.org/news/202
尖っているのにスムーズに転がる物体「オロイド」幾何学物体「オロイド」 / Credit:Matter Collection(Kickstarter)_The Mega Oloid: Geometric perfection into a colossal artwork(2022)オロイドとは、ドイツの彫刻家または数学者だったパウル・シャッツ氏によって、1929年に発見された幾何学的な物体です。 通常の生活ではめったに見かけない不思議な形をしていますが、構造自体は非常にシンプルです。 オロイド構造は、同じ大きさの円盤2つで成り立っています。 オロイド構造。2つの円が直交している / Credit:Thinkingarena(Wikipedia)_Oloid半径が等しい2つの円盤が直交しており、それぞれの円の中心がもう一方の円の外周と重なるよう設計されているのです。 あとは円盤のふちから円盤
「犬種」は、自分が飼いたい犬を選ぶための重要な指標にされています。 たとえば、おとなしい犬種ならゴールデンレトリーバー、社交的ならラブラドール、賢くて遊び好きならコリーといったように。 しかしこのほど、米マサチューセッツ大学(University of Massachusetts)の6年にわたる研究により、犬種では犬の行動や気質をほとんど予測できないことが明らかになりました。 犬種で説明できるのは行動特性のわずか9%であり、また、どの行動特性も1つの犬種には限定されなかったようです。 研究の詳細は、2022年4月29日付で科学雑誌『Science』に掲載されています。 Dog Breeds Don’t Explain Their Behavior as Much as We Think, Scientists Say https://www.sciencealert.com/the-bre
真の「医者」とは、どのような人を指すのでしょう。 偏差値の高い医学部を卒業し、医師免許を取得した人のことでしょうか。 それは必須の条件ではありますが、しかし過去に、その道を通らずに、多くの命を救った男性がいます。 その人物の名は、マーティン・クーニー医師。 彼は正式な医師免許をもっていないにもかかわらず、死ぬ運命にあった多くの未熟児をたった一人で救いました。 これは、1930年代におけるアメリカ小児医療の価値観を変革したニセ医者の奇跡の物語です。 This Fake Doctor In The Early 20th Century Used Premature Babies For People’s Entertainment And Saved 6,500 Lives https://www.boredpanda.com/baby-incubators-entertainment-con
今年、アメリカの中・東部で17年周期の「素数ゼミ」が大量発生する予定です。 バージニア工科大学の調べでは、各地域ごとに数百万単位で出現し、それが5月中旬〜6月下旬まで続くと見られます。 とんでもない数のセミがいっせいに大合唱するため、深刻な騒音が懸念されています。 Expect Trillions of Brood X Cicada To Invade the US After Hibernation For 17 Years https://www.sciencetimes.com/articles/29254/20210122/expect-trillions-brood-x-cicada-invade-hiding-17-years.htm
感情を強制起動する脳のツボ脳に電気刺激を与えてうつ病を治す技術が大幅な進歩をみせている / Credit:Canva脳は心臓と同じく、電気的な臓器です。 そのため近年、うつ病患者に対して脳に電気刺激を行う手法が着目されています。 ただ既存の電気刺激法は非常に大味であり、脳全体に大電流を流す方法がメインでした。 そこでカリフォルニア大学の研究者たちは、5年もの長期に及ぶ臨床試験の結果を元に「神経マッピング技術」を開発しました。 この神経マッピング技術は脳の各地に差し込んだ電極から、患者一人一人の神経回路の特性を認識し、その患者にとって最適な治療部位(刺激場所)をピンポイントで探し出すように設計されています。 そして今回、マッピング技術の性能を確かめるために、難治性うつ病に苦しむ36歳の女性患者に対して、はじめての試験が行われました。 その結果は、まさに驚きでした。 女性患者は覚えている限り5
ドイツ・テュービンゲン大学・神経科学研究チームは、24日、「カラスにヒトと同じ主観的意識の存在が初めて認められた」と発表しました。 『Science』に掲載された実験では、カラスがスクリーン上に表示された視覚刺激に対し、意識的に知覚・判別できることが示されています。 こうした意識構造は、ヒトを含む霊長類でしか確認されておらず、鳥類では初のことです。 研究主任のアンドレアス・ニーダー教授は「この結果は、意識の起源と進化について新しい見方を切り開くもの」と述べています。
スロバギア共和国の「ECOCAPSULE」社は、自己完結型マイクロホーム「Ecocapsule(エコカプセル)」を販売しています。 Ecocapsuleはカプセル型の住居であり、自家発電や雨水の利用が可能なため、外部接続なしであらゆる環境に設置することが可能。 そのため、コンパクトなオフィス、庭の離れ、リゾートの別荘、災害時の避難先などとして活躍します。 マイクロホーム「Ecocapsule(エコカプセル)」Credit:boutique-homesEcocapsuleは「自己完結可能なマイクロホーム」をコンセプトに2008年から開発されてきました。2015年には試作型が完成し、現在では正規品として販売開始されています。 丸みを帯びた近未来的なフォルムが特徴的であり、大きさも幅4.67m×奥行2.2m×高さ2.5mとかなりコンパクトです。 中にはベッド、デスク、キャビネット、冷蔵庫(オプシ
リンゴが半分に欠けているように見えますが、実際に切ったわけでもCGというわけでもありません。 実はこれ、日本の塗料メーカー光陽オリエントが開発した、世界一真っ黒に見えるアクリル塗料「黒色無双」が塗られているんです。 下の動画みたいに回転させると、リンゴが月の満ち欠けをしているように見えます。 完全な黒に近い塗料として「ベンタブラック」が有名ですが、塗装に高熱が必要なことや、人体への安全性が確立されていないなどの問題があり、一般人が手にすることはできませんでした。 しかし、今回発売される「黒色無双」は誰でも使うことができます。 プラモデル塗装などにも使ってみたいですね。 「黒色無双」をガンプラの台座に使用した例。中に浮いているように見えるが、右足を見ると黒く塗られた台座が分かる。 / credit: Youtube Kopro下の画像を見ると、その圧倒的な黒さがよくわかります。 左から 光吸
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