アメリカ・ミシガン州のデトロイト市が財政破綻してから1カ月以上が過ぎた。負債額180億ドルという、米国史上最大級の自治体破綻である。かつて工業都市の中心を担ったデトロイト市の破綻は、日本の地方都市にとっても中国にとっても対岸の火事では済まされない。共通点は「空き家」や「空き地」の続出だ。 空き家の出現は、生産拠点の外部への移転によってもたらされた。かつて「モーターシティ」として急成長したデトロイト市は、1950年に185万人の人口を抱えていたが、現在では半分以下の70万人にまで減少した。 デトロイト市だけではない。アメリカでは東海岸を中心に、1960年代をピークに古い工業都市が衰退し、産業の構造転換とともに多くの工業用地が低利用地や未利用地と化した。 この現象が見られるのはアメリカだけではない。先進国の多くの都市で、生産拠点の移動や人口増加のピークアウトとともに、続々と工場跡地や空き家が発