障害がある人とない人が、ともに気兼ねなく料理を楽しみたい――。東京都で障害者支援に携わる前田有香(35)さんが、そんな思いで立ち上げたプロジェクトが「ちがいとけあう食事会」だ。その最初の集まりがこの秋、京都市内で開かれた。参加したのは前田さんの親友で筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う高橋由香(40)さんと、前田さんが招いた健常者たち。そこで全員に出されたのが、前田さん特製の「お箸」だ。見栄えがよく、手先の不自由な高橋さんでもうまく使えるように工夫が凝らされていた。障害者と健常者の「違い」をなくすための最適解を見つけるのではなく、違いがあるまま一緒に「同じ」体験を楽しむ場を広げたい。一風変わったお箸には、こんなメッセージが込められていた。 ●高橋さんとの食事は無意識に食事がしやすい環境を選んでいた 京都市四条の京料理店「木乃婦(きのぶ)」で開かれたプロジェクト初の食事会。集まった面々の前に並