卒論を添削していて気づいたこと、つらつら考えたことを書き出したら長くなってしまったので、記事を分けることにした。まずは、やり取り(インタラクション)とスピーチの違いの話から。 ここのところ担当した研修・講演で、学校種を問わず、言語活動における「やり取り」と「スピーチ」の目的・性格を考えて行いましょう、ということを繰り返し説いてきた。ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)ではもともと区別されていたし(ただしSpoken InteractionとSpoken Productionとして)、活動の内容によって相手のある会話とモノローグでの発表のそれぞれに合わせたサポートをする教師も以前からいた。それにもかかわらずこの点を強調するのは、次期学習指導要領で「話すこと[やり取り]」と「話すこと[発表]」とが分けられたことで、かえって両者を機械的に区別するだけの活動が蔓延するのではないかと危惧しているから