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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (5)

  • イスラーム国の衝撃 (文春新書) by 池内恵 - 基本読書

    イスラム国関連の書籍をざっと4,5冊読んだが1冊選ぶとしたらこれだな。次点としてロレッタ・ナポリオーニの『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』はイスラム国のメディア戦略とテクノロジー、あとは世界政治の中での立位置にページを割いていてまとまっているのが良かった。それに対して書『イスラーム国の衝撃』はイスラム国(伸ばし棒うつのが面倒臭いから書名以外では省略する)イスラム国そのものの成り立ち、疑問点に思想と政治両面からフォーカスした内容でその分ぎゅっと詰まっていてわかりやすい。 今や日人の脳内にもくっきりとその特異性が刻みつけられているイスラム国だが、ニュースをみているだけだと時間や文字数上の制約からどうしても「今まさに起こっている事象そのもの」に対してのあーだこーだに終始することになる。成り立ちから今後まで見通していく為には新書程度でもまとまった分量で読むのがいいだろうと思う。何しろ歴

    イスラーム国の衝撃 (文春新書) by 池内恵 - 基本読書
  • みならいディーバという奇跡 - 基本読書

    この世は常に失敗を怖れない偉大な開拓者たちによって切り開かれてきた。 一番乗りの開拓者には、そのリスクと引き換えにあるボーナスが与えられる。後続が洗練され、より優れたことをやる前のことなので、「たとえぐだぐだであっても、クォリティが低くても、成立していることそれ自体が奇跡だ!」という感覚が沸き起こってくるのだ。初期のiPhoneを思い返すがいい。あの頃のiPhoneはメールがきてもそれを通知する機能すらなかったのだ。だがそれでもみな嬉々としてiPhoneを触っていた。はじめて人が乗れる飛行機ができたときだって、今の旅客機からすればカスみたいなものだがみなそのクオリティに感動していた。なぜならそれは成立したことそれ自体が充分に奇跡的であり、エンターテイメントとなるからだ。 このみならいディーバはそういう意味で言えばアニメの世界で成立した奇跡である。製作総指揮の吉田尚記氏は『「『アニメを見たい

    みならいディーバという奇跡 - 基本読書
  • SFマガジン2014年6月号のジュブナイルSF特集について - 基本読書

    面白い特集だった。普段は買わない雑誌でも特集が気になるとつい買ってしまうね。メインの一つとして取り上げられている魔法科高校の劣等生をWeb版から読んでいたこともある。いくつか面白かったところをピックアップして、雑記みたいな感じで思ったことでも書いていこう。 まずジュブナイルSFについてだけれども、これからはジュブナイルSFの時代がくるのかもしれないと思っている。その根にはSFは身近な物になるというか、もうなっているという現状がある。十年後どうなるかろくに想像も変化が早すぎて十年後ろくにどうなるか想像もつかないような現代においては、あっという間に古びていく現代をそのまま書くよりも未来を書いたほうがその心情にはよくあっているからだ。 つまりはSFが現代小説そのものとして普通に需要されるのではないかなあとこれを読みながら、というよりかはもうずいぶんまえから考えていることなので思い返していた。そ

    SFマガジン2014年6月号のジュブナイルSF特集について - 基本読書
  • SFをもっと楽しむための科学ノンフィクションはこれだ! - 基本読書

    記事名そのまま。SFが好きなのに科学ノンフィクションを読んでない人をみると「現代の最先端科学なんて、どれもほとんどSFでめちゃくちゃ面白いのにもったいない!」と思う。こんなことを考えたのも昨日、オービタルクラウドを最近出したばかりのSFジャンルをメインに執筆している藤井太洋さんのASCII.jp:ITとともに生まれた産業革命に匹敵する質的な方法論 (1/4)|遠藤諭の『デジタルの、これからを聞く』 こんなインタビュー記事を読んだからだ。 藤井さんはデビュー作であるGene Mapperを含め、現代で可能な科学技術の延長線上に起こりえる地続きの未来描写が特徴的で、「今・ここにある技術の凄さ」が感じられるところが毎回凄いんだよなあとこれを読んでいて思い返していた。またそこで使われているアイディアは現代でもそのまま使えるものが多いし。技術的には現実が既にSFなのだ。 透明マントだって現実化して

    SFをもっと楽しむための科学ノンフィクションはこれだ! - 基本読書
  • 押井守のガールズアンドパンツァー語り - 基本読書

    ガールズアンドパンツァーは素晴らしいアニメだった。 プロットはシンプルで、何よりも実際に戦車が動き、戦車ごとの特性が戦術、戦略に取り入れられ話が進んでいくのに感動した。そんな企画が通ったのもかわいい女の子しか出てこない「萌え」を配置した点があってのものだろうし、よかったなあ、そんな特殊文化がこの世には産まれていて、と無邪気に僕は思っていたのだが押井守さんの語りを読んでいたら、ずいぶんとそのことにとまどっているようだった。 一回もまともに見ていないと言い、「そもそも受け入れられる根拠がよくわからない」というその語りが面白い。よくも観てないのにこんなに語れるものだな、というぐらい語り尽くしている。ただそれだけアニメ文化の流れ、系譜というものを今までずっと分析してきたからこそ語れる内容でもある。しょうじき僕は全く詳しくないので、下記ロボットと兵器の区別など、安易なのではないかと思う区別もあるけれ

    押井守のガールズアンドパンツァー語り - 基本読書
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