ユネスコの世界遺産にも登録されているイラク北部の古代都市ハトラ。当局によると、最近、イスラム国の戦闘員たちに破壊されたという。(PHOTOGRAPH BY LYNN ABERCROMBIE) 「文明のゆりかご」とも呼ばれる文明発祥の地、中東のイラクやシリアで、過激派組織「イスラム国(IS=Islamic State)」の戦闘員たちが遺跡の略奪や破壊を繰り返している。 2月の終わり、イスラム国はイラク北部のモスル博物館に収蔵される数千年前の彫像を倒し、粉々にする映像を公開した。イラク政府は先日、数千年の歴史がある古代都市の遺跡をイスラム国の戦闘員に破壊されたと発表した。その中には古代アッシリアの3都市ほか、ユネスコ世界遺産に登録されている古代ローマの主要都市ハトラが含まれている。 一方、シリアは内戦によって荒廃し、20万近くの命が奪われ、何百万もの人々が家を失っている。イスラム国はシリア支配