2017年の出版業界で業界紙などが大きなトピックとして取り上げたのは、出版物輸送の危機が顕在化したことや、アマゾン・ジャパンが取次への「バックオーダー発注」を取りやめたことなどであった。そして、アマゾンと同様に、大手書店によって新たな取引方法・条件が提示されたことも今後の書店のあり方を考える上で重要な動きだといえる。 輸送の危機が顕在化 例年、日本出版取次協会(取協)と日本雑誌協会(雑協)が協議して、土曜日のうち数日を休配日としてきたが、いつもはすぐに決まる休配日数が、2017年については決定が同年2月までずれ込むという異例の事態になった。これは、取協がそれまで年間4~5日だった休配日を一挙に年間20日間に増やす提案をしたためだった。 取協側が休配日の大幅増加を求めた背景には、出版物輸送の危機的状況がある。出版物の配送業量が減少したことによってトラックの積載率が低下し、ドライバーの人件費な