山下範久 編『帝国論』読書中。面白い。 帝国論 (講談社選書メチエ) 作者: 山下範久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/01/11メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (9件) を見る とくに興味を惹いたのが、鈴木一人”「規制帝国」としてのEU──ポスト国民帝国時代の帝国”。 著者は、まず、現在隆盛を極めている議論──アメリカを中心とした世界秩序に「帝国」のレッテルを貼り、それを批判することが「了解」となっている「帝国論」への判断を、ひとまず留保する。 そして、アメリカのみが帝国として君臨するのではなく、アメリカ帝国と「競合しつつ共存」する帝国も存在するのではないか、と意識してみる──かつてイギリス帝国が世界帝国として覇権を遂げたとき、フランス、ドイツなど「競合しつつ共存」する帝国が存在したように。 確かにアメリカの影響力は強大であるが、既述し