フィリピンのドゥテルテ大統領は21日未明に記者会見し、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が、警官による麻薬犯罪容疑者の殺害が同国で激増していると非難したことに「無礼だ。内政干渉だ」と反論、「国連脱退も検討しなくてはならない」と述べた。 「国連はフィリピンに一体どんな良いことをしてくれたのだ。中国などと別の国際組織をつくってやる」とも発言。フィリピンは台風などの自然災害時に限らず、平時にも国連をはじめとする国際機関から多大な支援を受けている。これを無視するような発言で、見識を疑う声が出そうだ。 ドゥテルテ氏は長く市長を務めた南部ダバオの治安を劇的に改善したが、強権的手法への批判も根強い。5月の大統領選で勝利後も、容疑者が抵抗したら迷わず射殺するよう警官に呼び掛けており、就任翌日の7月1日~8月18日に665人が殺害された。(共同)