神奈川県立がんセンターで、放射線治療医が大量退職し、治療の継続が難しくなっている。2月5日、黒岩祐治知事は、同センターを運営する県立病院機構の土屋了介理事長を解任した。だが土屋理事長は「解任は不当」と主張し、「県立病院の経営は大変ずさん。このままでは県民に高度な医療を提供できない」と指摘する。渦中の人物である土屋理事長の手記をお届けしよう――。 「形骸化」した地方独立行政法人という存在 平成30年2月5日、私は神奈川県の黒岩祐治知事により、地方独立行政法人神奈川県立病院機構の理事長を解任すると命じられた。知事は病院の経営に対して、一般指揮監督により介入しようとした。これは明らかな不当な行為だ。なぜこうした行為がまかり通るのか。それは神奈川県において「地方独立行政法人」という存在が名ばかりだからだ。