激しいビートにタテ乗りで体を揺らす若者たち。盛り上がるライブハウスで事故は起きた。演奏中にステージから飛び降りた際、女性客にぶつかり重傷を負わせたとして重過失傷害罪で起訴されたロックバンドのボーカル兼ギターの男に対する裁判が、大阪地裁で開かれていた。男のバンドは、演奏中にドラムセットを解体し、客のいるフロアで組み立て直して演奏を再開する、という独特のパフォーマンスを恒例としていた。その日も、演奏を再開する直前に男がギターを抱えてフロアにジャンプ。すると、女性の頭に男が抱えていたギターが直撃し、6カ月の打撲とともに、集中力の低下などの後遺症も生じた。「飛び降りるときに合図をしたと思う」と重大な過失を否定する男に対し、裁判所は有罪判決を宣告した。盛り上げ役を頼まれ 平成22年2月27日、大阪市浪速区のライブハウス。それほど混んでいない会場が、事件の現場となった。 検察側の冒頭陳述などによると、