平成30年に95歳で死去した世界的な彫刻家、流(ながれ)政之さんが高松市に残した自宅兼アトリエが、今年9月5日から「ナガレスタジオ 流政之美術館」として公開される。運営する流財団の香美佐知子さんは「流が長年作品と向き合った場所。建物に宿る精神性を感じてほしい」と話している。 流さんは、米中枢同時テロで崩壊した世界貿易センタービル前に設置されていた「雲の砦」を制作するなど、著名な作品を数多く残す。先の大戦中はゼロ戦のパイロットだった。 瀬戸内海に突き出た庵治半島の東海岸に自宅兼アトリエを建て始めたのは昭和41年。増築を繰り返し、欧州の古城を思わせるれんが造りの3階建てが完成した。 美術館として公開するのは1階の一部と2階中庭のほか、建物の周りに置いた彫刻群だ。計約380点の作品を見ることができる。3階の居室を含む他の空間は整備が追い付かず、当初段階では公開を見送った。 見学は完全予約制で8月