2019年10月18日 (2023年11月19日最終追記) 憲法裁判アート 「著しく不完全な『表現の自由』論争史 ~公開中止・会場使用許可・公金支出を中心に」 弁護士 福井健策 (骨董通り法律事務所 for the Arts) という訳で、会期終了まで1週間というギリギリの時期に「表現の不自由展」が公開再開され、あいちトリエンナーレ2019は幕を閉じた。この2月半、まさにメディア上は「あいトリ祭り」と言って良い報道・論争が続き、多くの団体が声明を発し、緊急集会を開催した。 ここまで表現の自由に人々の関心が集まることも滅多にないだろうし、この機会に表現をめぐる裁判と論争史を概観しようかなと思い立った・・・いやいや無理。わいせつ・ヘイト・プライバシーから政治ビラ・パロディまで、対象も裁判の種類もあまりに膨大で到底筆者の手には負えないし、そもそも紙面が足りなすぎる。そこで、今回は主に劇場や美術館