「写真撮影OK」の美術展が、日本国内でも増えている。だが会場をのぞくと、慣れないせいか、「注意されるかも」とおっかなびっくり撮影する人が目立つ。パリのルーブル美術館やロンドンの大英博物館、ニューヨークのメトロポリタン美術館など、海外では入館者による展示作品の撮影が普通に行われているのに、日本ではなぜ「撮影の自由」が浸透しないのだろう。(正木利和) 初めての写真撮影 大阪市阿倍野区のあべのハルカス美術館で開催中の「ラファエル前派の軌跡展」。赤いじゅうたんを敷いたエリアに掛かっている25点が撮影可能だ。ミレイの「結婚通知-捨てられて」やロセッティの「ムネーモシューネー」、ハントの「シャロットの乙女」など、同派を代表する画家の作品が並ぶ。 「10年ほど前、ルーブルに行ったときは撮影できたけれど、日本で撮影するのは今回が初めて」と赤じゅうたんエリアでスマートフォン(スマホ)をつかって撮影していた大