宮地典子(薬剤師・東京) 12月1日号、正露丸の記事に驚きの声をたくさんいただきました。今回は、その成分について薬剤師に聞きました。 正露丸の主成分はクレオソートで防腐作用があるとして、日露戦争のころから下痢止めなどに使われてきた古い薬です。有効性や危険性については検証のないまま、現在に至っています。 クレオソートとは、消毒薬として知られているクレゾールをはじめとするフェノール系化合物の混合物です。フェノール系化合物は細胞のタンパク質を変質さ せて細胞を障害する作用をもっています。クレオソートは「日本薬局方」にも収載されていますが、その「本質」の項には「歯科用消毒薬 殺菌・防腐薬」(第 十四改正)と記載されています。 クレオソートの危険性はその本質からも予測されますが、常用してもよい量と害になる量(中毒量)との差が少ないという問題があります。効かないからと いって連続して服用すれば、即中毒