白川静4 白川晩年の思想。 「漢字は(日本の)国字である」とは何だったのか。 日本は無文字社会だった。 紀元1世紀、日本に漢字が渡来した最も古い資料「金印」(漢委奴國王)。 それから600年後、「古事記」(日本人が初めて漢字を使って著した歴史書)。 日本人は、漢字を音として使うことを思いついた。「表音文字」。 そして、漢字に「訓読み」をあてるようにした。 さらに、日本人の驚くべき発明「万葉仮名」。 万葉仮名は古事記で登場し、万葉集でさらに洗練されていく。漢字と表音文字の組み合わせ。 さらに奈良時代後半、表音文字を崩した「ひらがな」が生まれる。 ひらがなは女手といって、女性によって作られた。 これは日本にしかない出来事であった。 紀貫之「土佐日記」 女の振りをしてこれを書いた。当時男社会は漢字表記であったので。 日本にかなが生まれたとき、漢字を「真名」(フォーマル(中国的)である)、かなを「