私が大人になってから、母はたまに「自分は毒親育ちだった」と言うようになった。 もう何年も前に亡くなったが、私にとっては少し偏屈なおじいちゃんにしか見えなかったけれど、たまに母が語る。 本当はやりたいことがあったのに女は勉強などするなと女子大に進むことしか許してくれなかった。 勝手に家に芸者をよんでどんちゃん騒ぎをしていた。 かなりの偏食家で、みんなで食べる夕飯のはずなのにおばあちゃんに必ず自分専用の別メニューを用意させていた。 そんなことを、ポロポロと話してくれることがあった。 でも決して感情に任せて私にぶつけるのではなく、わりとコミカルに話してくれる。 私にとっての「おじいちゃんの家での思い出」が壊れないように、上手に話してくれる。 私がまだ子供だった頃、母はなかなかヒステリックだったと思う。 私の軽はずみな一言や行動で感情が一気に昂り、大声で怒鳴り、思わぬ行動に出る。 部屋を散らかしっ
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