秦郁彦・大沼保昭・荒井信一、「激論 「従軍慰安婦」置き去りにされた真実」、『諸君!』2007年7月号 大沼保昭、『「慰安婦」問題とは何だったのか メディア・NGO・政府の功罪』、中公新書 本来なら90年代前半の報道などを調べなおしたうえで書きたいところなのだが、そうしていたらいつになることやらわからないので、とりあえず『「慰安婦」問題とは何だったのか』より次の2点に絞ってコメントする*1。 アジア女性基金の「半官半民」という性格について(第1章、第2章など) 法的責任と道義的責任を巡る議論について(第5章など) アジア女性基金は、「元「慰安婦」への償い金は国民からの拠金によるが、そうした募金活動や被害者への償い金の手渡しなどにかかる費用(…)はすべて政府予算から」まかなう(13ページ)という半官半民の活動を行なった。この点について、大沼氏は「日本の侵略戦争と植民地支配への反省と償いは、政府