大人になると、失ってしまうものの一つに、「ムダ」があると思う。 放っておいても、自然に合理的・効率的になっていってしまう世の中。対して、こどもはビックリするほど、やることなすこと無意味で、ムダ部門では、誰も彼もが天才ではないかと思うほどだ。 でも、普段はつい、「ほらー、あんたはまたっそんなしょーもないことばっかしてー!」と、オカンしゃべり満開でツッコンでしまう無意味なことも、見方を変えれば、ステキなゆとりや安らぎかもしれない。 そこで、実家に帰った、ある休日の1日、こどもの全「ムダ」を、辛抱強くあたたかく見守ってみることにした。 小学校に入ったばかりのムダ盛りの我が子は、祖父母の家で、はたしてどれだけのムダを繰り広げてくれるのか。 まず最初のムダは、着替え中に訪れた。 半裸のまま、なぜか熊の木彫りの置物をいじり倒す娘。「カゼひくよ!」なんて野暮なツッコミは不要である。 続いて、いとこと公園