『赤本再興《あかほんさいこう》〇花咲き爺《じじ》』[式亭三馬補綴、歌川国丸画、文化九(一八一二)年刊] ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 赤本花さき爺 - 国立国会図書館デジタルコレクション 花咲ぢゝ 3巻 鰻谷劇場条書 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション 【原文】 ①斯くて正直爺夫婦の者ハ、心正しく慈悲深き由、國中に聞こえけれバ、殿様、奇特《きどく》に思し召しめされ、金一万五千両、米十二万三千四百五十俵、御褒美として下し置かれしかバ、面目を施しける。 ②「何一つ手柄も無い私《わたくし》へ、数多《あまた》の御褒美頂戴致し、冥加至極《ミやうがしごく》有難う存じ奉りまする」 ③「奇特なる御褒美として、殿様より下し置かる。有り難く頂戴致せ」 ④「俺もせめて一箱欲しい。此の本の作者も欲しからう」 ⑤花咲き爺《ぢゞ》 三冊 赤本の文法に倣《