首都圏に上陸した過去最強クラスの台風15号は県内に大きな爪痕を残した。記録的暴風が猛威を振るい、道路や鉄道などの交通網をまひさせ、市民生活を直撃。港湾施設を相次ぎ破壊し、工場を操業停止に追い込むなど影響は広範囲に及んだ。 【写真特集】台風15号の被害状況 台風が最接近した9日未明、国内屈指の物流港・横浜港では船舶が橋や港湾施設に衝突する海難事故が続発した。強風でいかりが利かず船舶が流される「走錨(そうびょう)」や、係留索の切断による漂流が相次いだためだった。漂流は川崎港や横須賀港でも発生した。 第3管区海上保安本部(横浜)や横浜市港湾局によると、横浜港の主力コンテナターミナルの南本牧ふ頭と本牧ふ頭を結ぶ「南本牧はま道路」(同市中区)の橋に貨物船が衝突。損傷し、通行止めとなった。復旧の見通しは立っていない。 大黒ふ頭につながる大黒大橋(同市鶴見区)には、漂流した大型台船が衝突。三菱重工業本牧