レポート 《JST主催》わが国の論文力なぜ失速 第一線の研究者らシンポで激論白熱 2024.04.30 草下健夫 / サイエンスポータル編集部 日本の科学技術力が心配だといわれて久しい。象徴的に語られるのが、学術論文の地位の低下だ。論文は研究で得た新たな知見を整理して客観的評価を受け、学術の体系に組み込むもので、根本的に重要なはず。人々が科学技術の進展を通じ、知的で豊かに暮らすための基礎ともいえる。失速の背景に何があり、どうすればよいのか。多彩な分野のトップ級の研究者が国内外から集まり、シンポジウムで激論を交わすと、研究の自由度や国際化、若手育成といった基本的な論点があぶり出されてきた。 トップ10%論文、過去最低13位の衝撃 シンポジウムは「緊急シンポジウム 激論 なぜ、我が国の論文の注目度は下がりつつあるのか、我々は何をすべきか?」と題し3月11日、科学技術振興機構(JST)東京本部別