京都大学で13日、自由と平和のための京大有志の会などの主催による公開セミナー「人文学の死――ガザのジェノサイドと近代500年のヨーロッパの植民地主義」が開催された。昨年10月7日から始まったパレスチナ・ガザ地区に対するイスラエルの破壊と殺戮が苛烈さを増すなか、人文学の視点からこの暴力の歴史的根源に迫った。オンラインも含め約600人が参加した。今号では、岡真理・早稲田大学文学学術院教授による基調講演「ヨーロッパ問題としてのパレスチナ問題」の内容を紹介する。 ◇ ◇ 本セミナーは、この4カ月間、今なおガザで生起している出来事――イスラエルによるジェノサイド(大量殺戮)、ドミサイド(大量破壊)を、この暴力の根源に遡って理解することを企図している。 昨年10月7日、ガザ地区――マスメディアでは「イスラム組織ハマス」あるいは「イスラム原理主義組織ハマス」が実効支配するガザ地区と説明されるが