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ブックマーク / kasasora.hatenablog.com (16)

  • わたしの弟はワクチンを打たない - 傘をひらいて、空を

    疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。最初の通達から一年あまり、何度目かの通達のさなか、疫病のワクチンが提供されはじめた。それで全員が打つかといえば、そうではない。わたしの弟は打たないという。そして、わたしはそれを責めることができない。 弟は東京で一人暮らしをして、アルバイトで生計を立てている。今日働かなければ来月の家賃があやうい。運も悪かったし、弟の思慮が足りないところもあったと思うのだけれど、とりあえず自分で生活はできているのだし、人に大きな迷惑をかけているわけでもなし、責められるようなことではない。 わたしはそう思っているのだが、両親は「恥だ」と思っている。自分たちの助言をふいにして大学進学をせず、夢みたいなことを言っておかしな企業に就職してすぐに辞めてその日暮らしをしている、そんな浅はかな息子は心配するのも癪だと、そういうふうに思っている。 そうはい

    わたしの弟はワクチンを打たない - 傘をひらいて、空を
  • インターネットに向いてない - 傘をひらいて、空を

    おいバズってるけどだいじょうぶか。 そういうLINEが入った。私はソーシャルメディアが得意でない。 Twitterは数日に一度見る。言われて見てみるとたしかに私が投稿した短編がバズっていた。稀にあることだ。今年の春先にもあった。でもそれより規模が大きい。 ほんとだ、と返信する。別の友人からもLINEが入る。バズってるね。そうだね、いま見た、と私はこたえる。メッセージがポップアップする。 寒くなってきたから上着を持ち歩くんだよ。さやかさんは薄着でうろうろして「寒い」と言うのだから、あらかじめ天気予報を見るなどして気をつけなくてはいけないよ。バズってへんなメールが来たら次に会うときの酒の肴にするんだよ。 友人たちは私を心配してLINEを送ってくれたのだ。私はバズると少し体調を崩す。正確に言うと、バズったためにそれまで私の文章を読んだことのない人がいっぱい来て、なかにはよくわからない人がおり、執

    インターネットに向いてない - 傘をひらいて、空を
  • セフレですよ、不倫ですよ、ねえ、最低でしょ - 傘をひらいて、空を

    仕事の都合で別の業種の女性と幾度か会った。弊社の人間が、と彼女は言った。弊社の人間が幾人かマキノさんをお呼びしたいというので、飲み会にいらしてください。 私は出かけていった。私は知らない人にかこまれるのが嫌いではない。知らない人は意味のわからないことをするのでその意味を考えると少し楽しいし、「世の中にはいろいろな人がいる」と思うとなんだか安心する。たいていはその場かぎりだから気も楽だし。 彼らは声と身振りが大きく、話しぶりが流暢で、たいそう親しい者同士みたいな雰囲気を醸し出していた。私を連れてきた女性はあっというまにその場にすっぽりはまりこんだ。私は感心した。彼女は私とふたりのときには同僚たちに対していささかの冷淡さを感じさせる話しかたをしていた。 どちらがほんとうということもあるまい。さっとなじんで、ぱっと出る。そういうことができるのである。人に向ける顔にバリエーションがあるのだ。私は自

    セフレですよ、不倫ですよ、ねえ、最低でしょ - 傘をひらいて、空を
  • 「生んでくれてありがとう」 - 傘をひらいて、空を

    生んでくれてありがとう。 息子が言う。保育園の卒園式のことである。子どもたちがひとりひとり保護者にメッセージを伝える。なにぶん六歳だ。自分だけで考えたら、要領をえない、しどろもどろの、あるいは日常的な発話になる。でも式典はスケジュールが決まっているから子どもたちはひとことずつしか口にできない。順番に、滞りなく、全員が、みじかい決め台詞を言う。そういう場だから、文言はだいたい決まっている。「送り迎えしてくれてありがとう」というのがもっとも多い。その中でわたしの息子は「生んでくれてありがとう」と言った。 わたしは反射的に口を手で押さえる。その手をスライドさせて目の下と鼻と口を覆う。表情の細かい伝達を隠し、かつすごく感動しているように見える姿勢をつくる。隣のママ友が言う。まあ、なんてこと言ってくれる子かしら、こっちまで泣いちゃう。ほどなく園児たちはそれぞれの親のところへ行く。わたしはめいっぱい嬉

    「生んでくれてありがとう」 - 傘をひらいて、空を
  • パーフェクト・ウーマン最後の課題 - 傘をひらいて、空を

    可愛いねえと言うとありがとうと彼女は言った。でもそれ見のまんまなの。見のまんまにできるなんてすごいなあと私は感心してしまう。そもそも保育園の子の持ちもののすべてを手作りして刺繍まで入れるなんてすごいし、子どもを産んでいることもすごいし、仕事の量と質もすごいし、結婚相手と二人でがんがん働いて家まで建てたし、全体に偉業を成している人というかんじがする。いつだって感じのいい服を着て、ものやわらかなようすをしている。この人は私みたいに「めんどくさい」という理由のみで化粧もせず出勤したり、大鍋でカレーを作って三日間べ続けたりしないんだろうと思う。いつのまにかシャツにそのカレーが落ちていることもないと思う。大鍋で両手がふさがっていても足でドアを閉めないんだろうと思う。 でも可愛くないでしょう、見のまんまじゃあ。彼女は珍しく少しばかりバランスの崩れた表情をちらりと見せる。私は刺繍を見る。花柄だ。

    パーフェクト・ウーマン最後の課題 - 傘をひらいて、空を
    kari-ko
    kari-ko 2014/06/05
    “可愛くないというのはね、腹立たしい相手がいるのにそいつをけなす材料がなくって、でもけなしたくってしょうがない、みたいな時、あんまりものを考えてない連中が遣うせりふで、基本的に卑しいものだよ。”
  • 私を交代する - 傘をひらいて、空を

    SNSでもう一人あなたを見つけたと友人が言うので、同姓同名かと訊くと、いや、男の名前、とこたえる。でもあれはあなただと言う。URLとパスワードが送られてきて、そこに入ると、私がIDを持っていないクローズドなSNSからのキャプチャと、別のオープンなソーシャルメディアのアカウントがあった。キャプチャはSNSのコミュニティで、コミュニティのタイトルは私のブログと同じ、説明文は私が自分の文章について説明するために書いた短文の一人称を「僕」に変更したものだった。 そのキャプチャに記されたオープンなアカウントには、クローズドの方で更新される記事の更新通知と、ひとりごとめいたせりふが書かれていた。書いている人によるとそれは「下書き」なのだそうだ。「気持ち悪いつぶやきは下書きなので無視してください」「思いついたときに書き散らしておいたほうが自由に書けるので」とのことだった。通話アプリが立ち上がり友人の陽気

    私を交代する - 傘をひらいて、空を
  • 弱者としてのレッスン - 傘をひらいて、空を

    爆発の音がする。グラスを手に空の光を振りかえって、華やかな戦争みたいだ、と彼女は言う。夜になったばかりの空が赤く光り、緑色がかり、うす青く陰る。部屋の灯りは落とされ、やや過密にそこにいる私たちはたしかに、逃げて隠れているようだった。私は少しだけ動揺して言う。その種の比喩を、私は臆病に避けているんだよね。不謹慎だ、みたいに叱られるから。ほんとうに爆撃を受けている人に申し訳ないと思わないのか、とか。「当事者の身にもなってみろ」と弾劾される事態を避けている。 片方の眉を上げて彼女は笑う。年に一度の大きい花火大会の晩で、彼女の一家が住むマンションのベランダからは、やや遠景にはなるけれども、それを見ることができる。けれどもベランダは幾人もが座れる広さではなく、外気は日が暮れても有害なまでの熱を有して、だから火花に飽いた者は順繰りにリビングに入って、よく働く空調が吐き出す空気と控えめな灯りのなか、水滴

    弱者としてのレッスン - 傘をひらいて、空を
  • モンスターのための絆創膏 - 傘をひらいて、空を

    ホームパーティがはけるころ、彼が私の横を通り、グラスのテーブルの端に寄ったのを、手を伸ばして内側に動かす。おとうさんのしぐさ、と私は言う。小さい子が落とさないようにしている。彼はちょっとうつむいて、マキノは三歳じゃないのにな、と言う。たぶんこれは未練なんだ。俺もうあんまりおとうさんできないからさ。 離婚したんだよねと彼は言う。私はさっき別の元同級生から聞かされたせりふを思い出す。あいつ参っちゃってて、たぶん自分で話すと思うんで、できれば聞いてやってほしい。なにかあったんだとは、だから思っていた。私は自分の想像力の不足を謝罪する。それから彼を見て、具合、悪いの、と訊く。謝られるのが、なんか、わからない、と彼は言う。落ち着かないんだ、仕事じゃなくて誰かといて、なにかがあって、それで自分が、悪いんじゃないのが。 彼のとたがいに愛を告白している男性があって、彼は不意にそれを知って、男性にもがあ

    モンスターのための絆創膏 - 傘をひらいて、空を
    kari-ko
    kari-ko 2013/09/03
    ああ……。 "私たちも私たちを愛する人に対して、モンスターになったりなられたりしたことがあるからだと思うよ。"
  • 愛に殉じたそのあとに - 傘をひらいて、空を

    里佳子さんがふたつ年上の夫と結婚して三年になる。子どもができたので退職するという。おめでたい話だ。けれど里佳子さんに限っては少なからぬ数の社員が個人的にざわついており、不審がった後輩が私のところに理由を尋ねに来るほどなのだった。彼は訊いた。なんで家庭に入るとまずいみたいな感じなんですか。あの人旦那さんラブだし別によくないですか。そうとも里佳子さんは旦那さんラブだよと私はこたえた。だから私たちはどうしたらいいかわからない。 最初に里佳子さんとその夫の問題に気づいたのは、自分の結婚式の二次会に彼らを招待した社員だった。里佳子さんたちはまだ新婚だった。ふたりのそばを通ったときに聞こえたせりふに彼女はひやりとした。これだから頭の悪い女はいやなんだ。 あとは里佳子さん人から、少しずつ聞き出した。里佳子さんは愚痴を言わない。ただ彼女が当たり前だと思っている話が、当たり前でない内容をふくんでいる。里佳

    愛に殉じたそのあとに - 傘をひらいて、空を
    kari-ko
    kari-ko 2012/12/07
    解答例の一つかな。
  • 悪いお菓子 - 傘をひらいて、空を

    入社時期が近い十人ばかりと飲んでいて最近どうよと訊かれたのでふつうと彼はこたえる。そっちはと返すとがんばってるようとマキノはこたえてビールをごくごく飲んでいる。両手でジョッキを持って慎重に飲んだりしない。二の腕が太いと彼は思う。二の腕が太い、色が白い、鎖骨が太い、笑うと小じわが多い。わかっていたら笑わないはずなのに平気で笑うからきっとわかっていないんだろう。 近況を訊かれて当然のように仕事の話って荒んでるんじゃないと別のひとりが言い、そうかあとマキノが感心する。うん、ご家庭とか彼氏彼女とかそういう話したほうがいいよねえ。こいつら俺の彼女の話なんか聞きたくもないくせになんでそういう質問するかなと彼は思う。それからこたえる。飲み屋の姉ちゃんとつきあってる。すてきとマキノは言う。バーテンダーさんとかかしら。彼は呆れてキャバ嬢キャバ嬢とこたえる。いいねえ、つけ睫毛ついてる?髪の毛盛ってる?ぜんぶの

    悪いお菓子 - 傘をひらいて、空を
    kari-ko
    kari-ko 2012/05/31
    うわ。……「命短し恋せよおっさん」
  • 大人に必要な想像 - 傘をひらいて、空を

    姉ちゃん俺あれかも、がんとかかも。とかってなによと彼女が尋ねると弟はあっけらかんと、なんか疑いがあるから詳しく検査するんだってさあ、と言う。会社のさ健康診断あるじゃん、毎年受けないと怒られるやつ、あれなんか意味あんのかなって思ってたんだけどあったね、わりと。 弟はちゃんと毎年健康診断を受けているのだ、と彼女は思った。少し感慨深かった。そもそも会社員をやっているのが感慨深いし、社員同士がみんな知りあいみたいな中小企業の人間関係もそれなりにこなしているようだから、もう完全に大人、まっとうな大人だ。弟がそんなふうになるなんて彼女は思っていなかった。悪いことはしないけれども自由すぎる弟で、何年か前にバックパッカーをするというからあらそうと見送ったら二年も帰ってこなかった。どうやって生きていたのか知らない。 あんた医療保険入ってるのと彼女は訊く。さすが姉ちゃん、真っ先にそれ聞いてくれる、と弟はこたえ

    大人に必要な想像 - 傘をひらいて、空を
    kari-ko
    kari-ko 2012/05/02
    大人論。
  • 周回遅れの証拠 - 傘をひらいて、空を

    現代の厄年なんじゃないと誰かが言った。その場に集まった人々の外見は無軌道に異なっていた。ふだんは接点のない者同士で、ただみんなが好きなので、の話をしようとして来たのだった。それぞれが初対面であったり、そうでなかったりした。 そうして誰かが言ったのだ。二十八って現代の厄年なんじゃないの。カトウくんそう思って乗り越えなよ、俺も二十八のとき仕事で大失敗して死んでやろうかと思ったもんね死ななかったけど、それでマキノさんは、ほら前に言ってた、一年間で三回交通事故に遭ったってやつ、あれ二十八くらいだよね、ほかの人も、なんか、ない。 どうやら二十八歳のカトウくんが今現在ひどく辛い目に遭っているために、二十八歳厄年説を裏づける話が募集されているらしかった。二十八からひとまわりが過ぎたというシライシさんがそのころの大失恋の話を披露してみんながそれに頷き、シライシさんは次の人を指名する。ケイタもあるでしょ

    周回遅れの証拠 - 傘をひらいて、空を
    kari-ko
    kari-ko 2011/10/05
    そうだな。 / 明石家さんま「追いつかないんですよ。」 さんまシステム http://tinyurl.com/3ns5deh
  • 恋愛的疑惑と少量の善良 - 傘をひらいて、空を

    ミエちゃんが俺とつきあえるとか思ってたらどうしようと彼は言い、人に訊けばいいじゃんと私はこたる。彼は眉を歪め、野菜を鍋に放りこむ動作と同じ速度で言葉を投げる。マキノってなんでそんなに言語コミュニケーションを信じきってるわけ、この世がそんなに簡単にできてるわけないだろ、あの子たち返事しないでさめざめと泣くからね、しつこく泣く、俺はムツゴロウさんみたくひたすらなだめる、そして夜が明ける。あれはきつい。 なるほどと私は言い、長い箸を動かして鍋底から奇妙なかたちのきのこを救出する。中国人の店員さんが美味しいですよと言っていた。鍋は曲線で仕切られ、赤白二色のスープに大量のスパイスが浮き沈みしている。 薬膳っぽいものべようと彼が言い、私たちはここに来たのだった。繁華街の奥のこのあたりでは深夜まで平然と事が供され、周囲のことばの半分が日語でない。 ミエちゃんは彼の同僚だ。美人じゃないけどなかなか

    恋愛的疑惑と少量の善良 - 傘をひらいて、空を
    kari-ko
    kari-ko 2011/06/28
    いいね。とても。
  • 神さまを借りる - 傘をひらいて、空を

    じゃんけんで決める、と教官が言った。はあいと私たちはこたえた。私はそのとき大学生で、ゼミのキックオフミーティングに参加していて、発表の順番や雑用の担当を決めていた。 そのあとの飲み会で、でもどうしてですか、と誰かがたずねた。なんでじゃんけんなんですか、先生が適当に割りふるとか、話しあって決めさせるとか、そういうんじゃなくって。 彼は眉をたがいちがいに動かしてから、偶然がいちばん正しいから、とこたえた。 あのさ、みんな人前で発表するのとかはじめてじゃんか。なるべく遅くにやりたいよね。文献読むのだって先延ばしにしたいだろうし。俺が学部生のときだってそうだったもん。ほかに楽しいこといっぱいあるし、とにかく布団から出たくねえよ、みたいな日もあるし、バイトで稼ぐのがいちばん大事な時期もあるし、だいたい、若いとすぐ変なこと考えてなんか穴っぽいところにはまるんだからさ、あれってなんだろうな、ホルモンバラ

    神さまを借りる - 傘をひらいて、空を
    kari-ko
    kari-ko 2010/07/22
    ……最後の一行はどうとでも読み取れるのか。ブコメを見て気付いた。
  • たったひとつの、冴えないやりかた - 傘をひらいて、空を

    どうやって治したんですかと彼女は訊いた。白い顔に宿命的な隈をはりつけ、どこかちぐはぐな印象の服装をした大学生だった。 十年前に卒業した研究室をたずね、恩師への相談ごとを終えてお茶を飲んでいると、もうちょっとここにいてと恩師が言う。会わせたいゼミ生がいてね、話したらきっと役に立つ先輩が来るからおいでって言ってあって、だから待ってて。 私と同じ業種を希望している学生の進路相談だろうと思っていると、顔色の悪い女の子がやってきた。自分のからだの半径一メートルを常に走査しているみたいな女の子だなと私は思った。通りいっぺんの自己紹介と無難な世間話を済ませると、恩師が学生のほうを向いて言う。 ほらあの、評価されるとだめになっちゃうっていう話、どうしてかわからないけど何か区切りになることをやり遂げたりするとそのあと具合悪くなっちゃうって前に言ってたよね、あの話がしたくてさ、俺ちょっと調べたんだよ昔、そうい

    たったひとつの、冴えないやりかた - 傘をひらいて、空を
    kari-ko
    kari-ko 2010/07/22
    成功恐怖
  • 屋台を引いて歩く人の話 - 傘をひらいて、空を

    彼女は駐車場で枕を見つけた。車がタイヤを接して停めるための部分だ。車の下にからだを潜らせて首だけを出す。布団の中のようにあたたかくはないけれども、何もないよりはるかによかった。彼女はなにかにくるまったり狭いところに入りこむのがことのほか好きだった。いちばん好きな遊びはくるりと丸まって段ボール箱に入り、内側から蓋を閉じて目も閉じるというものだった。 そこは彼女の知らない場所だった。いちばん遠い友だちの家からさらにいくつか角を曲がり、とても長い距離を歩いた。七歳の彼女にとって、そこはお話の中のように遠い場所だった。来た道のことは覚えていなかった。彼女はなにしろぼんやりした子どもで、たいていのことは忘れてしまうのだった。 ここで眠ろうと彼女は思う。でもまだねむたくはなかった。夜更かししたっていいんだと彼女は思う。だって私は家出したんだから、好きなだけ眠っていいんだ。そう思うとなんだかくらくらした

    屋台を引いて歩く人の話 - 傘をひらいて、空を
    kari-ko
    kari-ko 2010/07/07
    "悪く美しいものの卵のようなヨーヨーが知らない子どもに釣りあげられて水滴をまきながら遠くへ消えていった。"  この一文の挟み込みなんて、上手い。この一文の比喩が何を表わしてるのか簡単には答えられなさそう。
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