日本郵政グループのかんぽ生命保険で、過剰なノルマなどを背景にした不適切な保険商品の販売が横行していたことが明らかになっている。家族が被害を受けた男性の証言によると、デジタルペンというハイテク機器を悪用して、別の用紙に書いた署名を無断で電子化して、保険契約書に転記する手口が使われていたというから恐ろしい。 ◇ 「いつの間にか身に覚えのない保険に契約させられていた。ほとんど詐欺まがいの営業だった」と山形市内に住む男性は憤る。 「相続のアドバイスをしたい」などと郵便局員が男性の妻と義母の元を訪れたのは昨年10月のことだった。言葉通り相続に関する説明を受けた妻らは、郵便局員から「営業ノルマで、説明を行ったことを報告する必要があり、署名に協力してほしい」とサインを求められたという。「これは契約用紙ではありません」と書かれた書類を渡された妻らは、言われるがままにペンを渡され、住所と名前を記入したが、そ