1.「いじられキャラだから・・・」という弁解 被害者側からハラスメント被害を受けていたことを問題にすると、加害者側から「(被害者は)いじられキャラだったから、問題がないと思っていた」と弁解されることがあります。要するに、「自虐的なネタで笑いをとっていたから、同じような表現で侮蔑することは許されると思っていた」という意味なのだと思われます。 しかし、自分で自分のことを卑下するのと、他人から侮蔑されることは、等価ではありません。自分で言うのは平気でも、人から言われると腹が立つという経験をした方は、少なくないのではないかと思います。近時公刊された判例集にも、自虐的に笑いをとるキャラであったとしても、それによって侮蔑的な発言が正当化されることはないと判示された裁判例が掲載されていました。昨日もご紹介した、東京地判令5.6.8労働判例ジャーナル143-54 ブレア事件です。 2.ブレア事件 本件で被