佐藤 将 (2021年4月研究機関研究員着任) 日本において数多くある社会問題の中で少子化問題はまだまだ課題の残る問題です。何故解決が進まないのか?私は2つの視点からの検証が不足しているからと考えています。1つは兄弟数です。近年では1人っ子世帯が増えており,2人目の子どもが産みにくい要因とそれを踏まえた産みやすい環境づくりの必要性が迫られているからです。もう1つは地域差です。居住環境が異なる地域ごとに同一の政策を行うのではなく,地域事情に即した政策を行うほうがニーズに見合った政策が実現でき,出生力向上にもつながるからです。こうした背景のもと私は少子化研究を行ってまいりました。 地域差を表すツールとして私が研究で用いたものがGISです。GISとは地理情報システム(Geographic Information Systems)の略であり,位置情報をもつデータをコンピュータ上で可視化するシステム