「図書館悪玉論」は、敵と味方を間違えていないか? 図書館、特に公共図書館は、いま岐路に立たされています。 運営を民間に任せる「指定管理者制度」については、佐賀県武雄市、神奈川県海老名市などの図書館運営を受託したCCCのいわゆる「ツタヤ図書館」が、運営や選書の不手際で、大きな批判を浴びています。 他方、ネットの発達で、単純な、皮相的な「調べもの」に関していえば、図書館の社会的役割は縮小してきていることも否めません。ウェブ(WWW)自体が、莫大(ばくだい)な知識を蓄え、世界に広がる仮想図書館といってもいい存在である以上、ウェブの普及が、図書館の伝統的な役割の、少なくとも一部を奪いつつある(と見える)のも無理はありません。 電子書籍、電子図書館も、この「問い直し」に大きな影を落としています。国会図書館のような中央の組織が、全資料を電子化して全国、全世界に配信すれば、地域の公共図書館の役割は、電子