本作は『カイゼン・ジャーニー』の続編。途中入社ながらいきなり開発チームのリーダーに抜擢されてしまった主人公の太秦が、まだチームになれていないグループ状態のメンバーたちを、アドバイスをもらいつつ四苦八苦しながら「1人の人間のようなチーム」へまとめ上げていく。最終的には複数のチームにまたがったマネジメントを行うまでに至るわけだが、その過程を読者が追体験できるよう小説仕立てになっている。 太秦たちのチームはプロダクト開発でスクラムに取り組むようになるわけだけど、成長するのはプロダクトだけじゃない。チームも成長が必要。チームの成長を計画するには、スクラムのスプリントでは短い。そこでスクラムの型に捉われず、数スプリントをまとめた「ジャーニー」という考え方を導入したのが、本作の一番の功績だと思う。そして、ジャーニーによっては新しい役割を追加したり、人に割り当てる役割を変えたりといった、フォーメーション