奨学金については、メジャーな社会問題として各種メディアに取り上げられ、多くの人が知ることとなった。一方で、同じ高等教育とお金に関わる制度である大学授業料免除については、メディアもまったくといっていいほど取り上げないため、一般的にはあまり知られていない。 日本には国公立大学と一部の私立大学で、家庭の経済状況により授業料の全額または半額が免除される制度がある。私も、親がほぼ無収入だったため東大の4年間は授業料の全額が免除された。まったく授業料を支払わずに大学を卒業することができたのだ。 国立大学の授業料は2017年現在で535,800円なので、4年間でおよそ215万円の給付型奨学金を受給するのと同じ経済的支援を受けることになる。こういった授業料減免の恩恵を受けている学生は、2014年度の国立大学では述べ18万1千人、公立大学1万2千人、国立高等専門学校は述べ4千人、公立高等専門学校は400人、